電子書籍考 (4)

154 Blue Chrome Rain Social Media Icons

by webtreats

ブログタイトルからかけ離れた内容が続いている昨今、それでも当ブログをご覧いただいている方というのは恐らく、とても奇特な方か、翻訳と絡めた多面的なビジネス展開を考えておられるか、あるいは日夜ネットを徘徊して情報収集にいそしむ Google のクローラーかといった感じだろうか。

前回の要旨は、政府レベルの動きはコンテンツの無償化は奨励するものではない一方で、民間レベルではパブリックドメイン化やマッシュアップなど、コンテンツやサービスへのタダ乗りが盛んになっているというものだった。

この相反する動きの間にあるものは何なのだろうか。そして誰がそれを調停するのか。

何らかのメールマガジン (email newsletter) を購読している方は多いと思うが、発信者の宣伝目的ではなく、純粋なコンテンツ配信のためのメディアとしてメールマガジンが利用されているのは、日本くらいだろう。自分で確認するなら、世界中のサイトで Subscribe Newsletter のようなリンクをクリックして、メールアドレスを登録してみればいい。

大半が宣伝・マーケティング目的で使われるメールマガジンを、読者が購読料を支払う有料メールマガジンとして確立したまぐまぐは冴えているが、コンテンツ配信メディアとしてのメールマガジンが成立する背景として、あらためて日本がケータイ大国であることを考えてみる必要がある。

月毎・季節毎の増減はともかく、少子化・人口減が進む日本においても、携帯電話の加入者は増え続けている

誰が何処を毎日どのように動き回っているかは分からないが、日本は超モバイル大国なのだ。

昨今はスマートフォンが流行りで、コンテンツの閲覧という意味では PC サイトを携帯電話でそのまま表示できることから、従来の携帯電話の狭い画面に合わせた飾り気も何もないテキスト中心のコンテンツ、換言すれば、文字だけで読者を今後どこまで引っ張れるだろうか。

数年前から若年層を中心にヒットし、ここ最近は書籍化・映画化といったクロスメディアで賑わってきたケータイ小説にも転機が訪れている様子もある。

参考までに、前述のメールマガジン大手「まぐまぐ」の収益モデルはもちろん、有料メールマガジンなどではない (ビジネスパーソンには自明のことだが)。

ネットやモバイルが普及して個人の情報発信に目覚め、PC に向かって自分の趣味や得意な分野に関わるウンチクを切々と書き上げ、出かける先々でカメラを取り出して写真を撮り、それをブログにアップロードするような人々が増えれば増えるほど、そのためのツールやインフラを提供する人々が儲かる。

人が集まるところではお金が動く

広告ビジネスにしろ、課金サービスにしろ、現在のソーシャルメディア (SNS, Twitter, ブックマーク その他) を鍵として盛り上がる IT ビジネスというのは基本的に、この収益モデルを前提に成立していることを理解しておきたい。

こうしたネットビジネスの現状、さらに従来の出版ビジネスを再定義する意味で今あらためて、電子書籍が注目されているのだ。筆者は加えて、無償と有償の調停役としての電子出版〜電子書籍に注目している。

それを促すのが、書籍を電子出版した場合の還元率である。

前出の「まぐまぐ」で有料メールマガジンに伴うそれは60%で、記事の登録料も取るところが抜け目ない (取次元にもよるが iBook Store や Kindle Store などへの登録料は無償)。

自分のコンテンツをどのような形で表現・配信するかは人それぞれ、しかし今後の主流を予想し、それに則したアクションを起こすのは必然。

次回はそのあたりを詳しく書いてみよう。

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