共有知

翻訳という仕事は最たる「知的労働」の1つです。まずはソース言語を理解する能力、それによって書き表された内容を理解する専門知識、さらにはターゲット言語に適切に置き換える能力も求められます。

それ故に、翻訳に携わってきたのは昔から学者や研究者といったアカデミックな職業に就く人々が主体で、特に産業翻訳〜技術翻訳では、それぞれの分野を専門とする技術者やエンジニアが副業として手がけるケースが多く、翻訳を専業とする人々についても「元○○」のような脱サラ組が普通でした。ここまで1980年代。

1990年代に入ると翻訳を専業にする人々は増えましたが、これは後にも先にも、PCが普及したことが理由です。それまではコンピューター関係の翻訳といえば、ハードウェアといえばメインフレームやミニコン、ソフトウェアならOSや開発言語に関するものが主流でしたが、マイクロソフトからWindows 95が発売され、PCでも本格的にGUIが使えるようになると一気にコンシューマー向けアプリケーションの操作マニュアルなどの翻訳ニーズが高まったのです。
Continue reading

辞書あれこれ

携帯電話やPCを使ったメールのやり取りは、ビジネスだけでなく個人の日常生活でも普通になりました。離れたところにいる相手と連絡を取るための手段が手紙や電話しかなかった時代には、一般の人々が「送信」や「受信」なんて用語を使うこと自体ありませんでしたが、今では小学生だって日常的に使う言葉です。

上記のような文章を英文で書こうとした場合、あなたはどのように翻訳しますか? 答えは次回に譲るとして、今回は上記のような翻訳やライティングをやるのに役立つツールをいくつか紹介します。
Continue reading

検索マニア (2)

学生時代からそれなりに英文を親しみ、社会人になっても日常的に英文を目にする機会が多いなら… 少なくともネット配信される最新のニュース記事にある原文へのリンクをうっかりクリックして、目の前に広がる英文に拒否反応を起こすような方でなければ誰でも、潜在的に翻訳者や英文ライターになれる素質はあります。

英語に習熟しているだけでもいいですが、プロの翻訳者やライターで食べていこうと思うなら、自分の興味や得意分野を「寝食も忘れる」ほど、マニアックに追求するような姿勢のほうが英語よりもはるかに大切です。
Continue reading

検索マニア (1)

先日、ネット上の記事で「さて仕事と思い、グーグルのトップページを開いて次の瞬間アタマの中が真っ白になった…」といった表現が目に留まりました。

そこで読み進めていくと、頭が真っ白になった理由が「検索ワードが思い浮かばなかった」からと分かり、少しばかり意外な感じがしました。

自分も仕事柄、検索エンジンにお世話になることは多いですが、それでも「検索ワードが思い浮かばない」なんて経験はまずありません。調べたいことがあるから、検索エンジンを使うわけですから。
Continue reading